『ゴジラ対ヘドラ』がすげぇ!

『ゴジラ対ヘドラ』は

大人の鑑賞に耐えない映画である、

お子様ランチである──

そう断じるのはあまりに早計だ。

 

 

個人的には、

名画のほまれ高き第1作の『ゴジラ』よりも、

こっちを見ろよと言いたい。

 

 

ポイントはいくつもあるが、

2つあげさせてもらおう。

 

 

ひとつは、

とにかく敵役ヘドラがめったやたらに強いことだ。

 

 

ヘドラがどうしてそんなに強いのかといえば、

攻撃がまったくきかないからだ。

 

 

たとえば彼にパンチすると、

パンチした手が身体の中に埋まってしまう。

 

 

ヘドラの身体には決まった形がなく、

臓器もなければ骨もない。

 

 

したがって

あらゆる通常攻撃は意味をなさないのだ。 

 

 

ヘドラの肉体は、

ヘドロでできている。

 

 

水銀、コバルト、カドミウム、鉛、硫酸、オキシダン

(『ゴジラ対ヘドラ』の主題歌より)。

 

 

クライマックスにおけるゴジラの無言の主張は、

本作の大きなテーマのひとつを表現している。

 

 

「おまえらが

ヘドラを作ったんじゃないか!」

 

 

そう、

ヘドラを生み出したのは、

たしかに人間なのだ。

 

 

公害が生み出した公害怪獣。

 

 

それがヘドラの異名である。

 

 

ヘドラの強さしぶとさとは、

公害の強さしぶとさなのである。

 

 

もうひとつ、

『ゴジラ対ヘドラ』が異色なのは、

日本におけるサイケデリック文化/

ヒッピー文化を活写していることだ。

 

 

公害を考えるとき、

アメリカの生物学者レイチェル・カーソンの著書

『沈黙の春』を避けて通ることはできない。

 

 

『ゴジラ対ヘドラ』が

『沈黙の春』に多くを負っていることは、

ショッキングな主題歌の歌詞からも知ることができる。

 

 

一方、

公害は大きな問題ではなくなりつつある。

 

 

公害はやがて環境問題と呼ばれるようになったが、

いずれにしても、

以前ほど深刻な事態には至ってはいない。

 

 

だが、ちょっと待て。

 

 

公害は本当に終わったか?

 

 

過去をなつかしがってノスタルジーにおぼれ、

昭和は良かったとかいう

じじいばばあたちはすごく多い。

 

 

やつらの言うことを信用してはならない。

 

 

やつらはいいところだけ語っている。

 

 

嘘をついているのか、

ボケちゃって

それしか思い出せないのかはわからないが。

 



『ゴジラ対ヘドラ』を見た俺たちにはわかる。

 

 

実際には公害が大問題になっていたのだ。

 

 

子供向け映画のテーマになるほど、

一般的なものだった。

 

 

光化学スモッグでバタバタ倒れる人がいたし、

公害病があちこちで起こって

死んでいく人たちがいた。

 

 

海や川の水質汚染も、

それによる水棲生物の奇形も、

めずらしいことじゃなかった。

 

 

むしろ学ぶべきは、

やつらが語らないことの方にある。

 

 

なぜ

光化学スモッグ注意報は出なくなったのか。

 

 

なぜ

公害病は激減したのか。

 

 

なぜ

神田川にアユが住めるようになったのか。

 

 

そこにこそヒントがある。

 

 

俺たちにとって、

未来を考えるってことは

過去のオトシマエをどうつけるかということだ。

 

 

その意味で、

『ゴジラ対ヘドラ』は

多くのことを示唆してくれている。

 

 

終わらせちゃいけないし、

過去にしてはならない。

 

 

俺たちが戦っている敵は、

ヘドラよりずっと強大だし、

ずっとしぶといのだから。

 

 

(ゴジラは放射能怪獣であり

ハリウッド・ゴジラもシン・ゴジラも

それをテーマのひとつとしている)

 

ヘドロでできている怪獣なんだから臭くてキモいのが当たり前。

ゴジラVS敵怪獣だなんて喜んで見ているだけじゃダメ!

深い意味があるんです。

 

ミツコもヘドラはキモいから見ていなかったのですが、

公害という昭和を思い出しながらフェスでは

しっかり視聴しようと思っています。(学びのゴジラ)

 

news.kodansha.co.jp

 

 

『ゴジラ対ヘドラ』の主題歌

 

鳥も魚も どこへいったの

トンボも蝶も どこへいったの

 


水銀 コバルト カドミウム

ナマリ 硫酸 オキシダン

シアン マンガン バナジウム

クロム カリウム ストロンチウム

 


汚れちまった海 汚れちまった空

生きもの みんな いなくなって

野も山も 黙っちまった

 


地球の上に 誰も

誰も いなけりゃ 泣くことも出来ない

 


かえせ かえせ かえせ かえせ

みどりを 青空を かえせ かえせ

かえせ かえせ 青い海を かえせ

かえせ かえせ かえせ かえせ かえせ

命を太陽を かえせ かえせ かえせ

かえせ かえせ かえせ

 

 

------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

kurosan.hatenablog.com