簡潔にいえば
「私たち人間が送ったキーワードから絵を作成するAI」。
例えば“city”と送ると街の絵を描いてくれます。さらにそこに“Vincent van Gogh”というワードを追加すれば、街をゴッホの画風で描いてくれます。このように描いて欲しいモチーフや画風を指定すると、その通りに描いてくれるAIです。※多少ズレが生じることはあります。
↓“city”,“Vincent van Gogh”,“devil”
などのキーワードからMidjourneyの作成した絵
タワマン炎上
Midjourneyの描いた絵と
人間の画家が描いた絵を見比べてみましょう。
モネの絵と比較してみます。
※一応比較しやすいように描くモチーフはほとんど同じものにしました。
↓モネ『睡蓮の池と日本の橋』
画像引用元=https://artmuseum.jpn.org/mu_suiren.html
↓“water lilies”,“pond”,“Japanese-style bridge”,“forest”
などのキーワードからMidjourneyの作成した絵
光と影が抜群にうまい
いかがでしょうか?
「人間が描いた絵です」
と言われてもほとんど違和感ないと思います。
睡蓮や草木、光などの自然物が
モネと同じように巧みに表現されており、
どちらかの方が明らかに劣っているとは思いません。
どちらの作品も素晴らしいと個人的には思います。
ただ一つ気になるのは、「日本の橋」の描き方です。モネの絵の方は問題ありませんが、Midjourneyの方は日本の橋をうまく描けているとはいえないような気がします。
橋じゃないよね...不気味
どんなキーワードを入れたんだろ
そもそも
Midjourneyなどの絵を描くAIはどういうものなのか、
絵を描くAIには人間が正解を与えない、いわゆる「教師なし学習」と呼ばれるメカニズムが使われています。これは、まず人間がAIにインターネット上にある膨大な数の写真や絵をインプットさせ、そこからは人間の介入なしにAIが自力であらゆる事物に関する概念(「海はこんな感じ」、「猫はこんな感じ」といったイメージ)を獲得するという仕組みです。つまり、AIが概念を獲得する過程において、人間はAIに「いや違うよ、海はこういう感じだよ」と教育をしたりしないんです。※絵を描くAIはこうして自力で獲得した概念・イメージ(「海はこんな感じ」、「猫はこんな感じ」)をもとにそこから絵を描いています。このことを踏まえると、ある事物についてAIの持っている概念・イメージが人間の持っている概念・イメージと大きく異なることは十分起こり得るといえます。前章で述べた問題が生じたのも、恐らく「日本の橋」について私たち人間の持っている概念・イメージとMidjourneyの持っている概念・イメージが異なっていたからではないでしょうか。※特に「日本」に対して持っているイメージが大きく異なっていたのだと思います。また、Midjourneyを運営管理しているのは海外の方達なので、そもそもAIにインプットさせる情報に「日本ってこんな感じでしょ」という欧米のバイアスがかかってしまった可能性もありますね。
絵を描くAIは
ただネットなどで話題になっているだけでなく、
実際に美術コンテストのデジタルアート分野で
優勝していたりもします。
既に実績を持っているんです。
↓美術コンテストで優勝したAIの作品
「Theatre D'opera Spatial」
画像引用元=https://www.cnn.co.jp/tech/35192929.html
※ちなみにこの絵もMidjourneyが描いたものです。
ヮ(゚д゚)ォ! ルネッサ~ンス♪
こういった絵を描くAIの躍進を見ていると、
将来イラストレーターや画家は
淘汰されてしまうのではないかと不安になりますよね。
これについてはいろんな意見があります。
「質の高い絵を量産できてしまうので、
イラストレーターや画家は要らなくなるのではないか」
という声もあれば、
「いやまだまだイラストレーターや画家は生き残る」
という声もあります。
いろんなモチーフをいろんな画風で
しかも効率的に描くことができてしまう
恐ろしい存在です。
ただ人間の頭脳と手先によってしかできない表現を
模索していけば、イラストレーターや画家が
淘汰されることはないだろうと思います。
(「言うは易く、行うは難し」ですが、、、)
10年後が恐ろしやあ~、楽しみ。
🐥カモのデジタルお絵かきを見ていて
ふと思い出した天才Midjourney!